対馬の空き家問題と再利用の可能性
空き家問題は対馬だけではなくどこの自治体にもある問題。日本の空き家は増え続け深刻な社会問題となっている。国でも様々な政策をだしてやっているけど、増え続ける空き家に歯止めをかけることは難しい。空き家になってしまうのには色々と理由がある。その背景、影響等も含めて書いていこうかと思う
空き家問題の背景
1.人口減少と高齢化
日本の人口は減少傾向にあり、高齢化が進んでいっている。これにより、都市部への人口集中が進み、地方や郊外では空き家が増加している。ここ対馬でも若い子たちは島外にでていき、島に残っている親世代も最終的には子どもがいる島外に行くという選択をする人達を何人もみている。そのような理由で空き家になっている物件はいくつもある。
2.都市部の集中
若い世代が仕事や教育の機会を求めて都市部に移住する一方で、地方や郊外の家は空き家となるケースが多い。一昔前であれば家を継ぐということは当たり前のように行われていた。しかし、進学や仕事で島外に出た人達は一度でてしまうとなかなか戻ってこない。それは島内に同じような仕事で同じような給料をもらえる仕事がないということも理由の一つだと思う
親が事業者の場合は案外戻ってきてるかも
3.相続問題
家の所有者が高齢者である場合、その方が亡くなると、相続人が家を引き継ぐことになる。しかし、相続人が遠方に住んでいる場合や、すでに自分の住居を持っている場合、相続した家を利用しないため、空き家となることがある。親が代々引き継いできた物件であっても子の代、孫の代では見たこともない物件になってしまうことがある。その場合、その物件はそのまま放置されてしまうこともある。空き家バンクの相談で、固定資産税は払っているけど、見たことないという人がたまにいる。
対馬に家があるみたいだけど、一度も見に行ったことがないんだよねー、だからどういう状態なのかも全然わからない
このことは特に他人事とは言えない。だって私も実家の土地建物はわかるけど、親が相続しているかもしれない祖父母の土地建物なんて知らない(家以外行ったことない)
空き家の影響
1.治安の悪化
空き家が放置されると、不法侵入や犯罪の温床になることがある。誰もいないとわかると子ども達が隠れ家として遊んでしまうかもしれません。その中で犯罪者(泥棒)が一時的に身を潜める場所になったり、人が住んでるような形跡があったりという話も聞きます。
誰もいない家だとわかると、悪い人のたまり場や、犯罪者の隠れ家になることもあるよ
2.景観の悪化
放置された空き家は、地域の景観を損ない、地域全体の価値を下げることになる。草木が多い茂り、瓦がズレてしまっているような家があるとなんか怖くなりますよね。人の持ち物になるので、敷地の中に入って何か対処するということができないので、地域の問題物件になってしまいます。
ボロボロの空き家や、庭木の手入れがされてない家があると近くに行きたくないって思っちゃうものね
3.災害リスク
老朽化した空き家は、地震や火災などの災害時に倒壊するリスクが高く、周辺住民にとって危険となる。台風等での瓦やトタンが飛んでいってしまう可能性も。別に害虫(ムカデやヘビ)が発生してしまうこともあります。
塀が壊れたり災害時に飛来物があったり、不法投棄が起こったり侵入者による不審火等周辺住民にとっては心配でしかないよね
空き家対策
行政の取組み
市町村などの自治体が空き家バンクを運営し、空き家情報を提供することで、購入希望者や賃貸希望者とのマッチングを支援している
法律の整備
2015年には「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、適切な管理が行われない空き家に対して行政が指導や命令を出せるようになった
空き家の利活用
空き家をリノベーションしてカフェやアトリエ、宿泊施設などに転用する試みが行われている。これにより、地域の活性化が期待できる。
対馬の空き家に関する取り組み
空き家バンク
対馬市は移住定住対策の一つとして空き家バンクを運営している。内容はこちらの対馬市の移住定住サイトから
簡単に対象者を説明してみる。
空き家バンクを利用する側の条件
- 個人(法人不可)
- 島外からのIターン、Uターン者(5年以上住民票が市外にあったことが条件)
- 対馬市に住民票を移して5年以内の人
- 世帯に公務員がいないこと
- 対馬へ定住の意志がある人(対馬への移住が転勤でないこと)
- 空き家バンクの物件を住居として利用すること(別荘や事業としての利用は原則不可)
空き家バンクに登録する側の条件(家の所有者)
- 税の滞納がない
- 建物登記がされている
- 物件所有者と証明できる書類等がある
まず、大前提としての条件が人が住むことができるかが重要となります。
対馬市の空き家バンクは移住者の住宅としての賃貸や売買を行うものなので、大規模改修をしないと住めないような家は登録できない可能性があります。空き家バンクは不要な家を処分する場所ではなく、対馬に移住してくる方への住居の提供ということをきちんと理解が必要。
建物登記に関して
建物登記はその建物の所有権を表すもの。所有権をきちんと主張できる建物でないと空き家バンクの登録は難しい。一般的な不動産屋での売買に関しても所有権がないとできません。(決裁までに所有権の登録が出来れば可の場合もあり)よく勘違いしやすいのが、固定資産税を払っているからきちんと登記されている思い込み。
固定資産税と登記は連動してない!!
固定資産税と登記では管轄が違います。固定資産税は市町村の管轄。登記は法務局での取り扱いなので国の管轄。固定資産税は申告しなくても家を建てた時に自治体が調査を行い課税額をだしてきます。登記は自身で申告し登記するので、相続した物件に関してはきちんと登記がされているか確認することが必要です。
※現在相続登記がされてなくても登録を受け付けていますが、2024年4月より相続登記が義務化となったため、今後変更される可能性があります。空き家バンクに関してはまた別の記事で書いていこうかと思います
危険空家除却支援
危険空き家を簡単に説明すると近隣に被害を及ぼす可能性のある空き家である。近隣の迷惑になるから解体したいけどお金がかかりすぎてどうにもできない。そんな方への助成があります。いろいろな条件はありますが、上限50万円の助成。
でもやっぱ解体費用のが高いし、島内に住んでないから放置しとこ
そう考えている方がいたら要注意です。
放置している空家からの飛来物等でケガをした、建物を壊されたという場合、高額な損害賠償請求をされる場合もあります。何かがおこってから後悔することになるかも…
補助金についての詳細は以下から確認してください
対馬での空き家活用に関して
全国的に空き家の利活用はブーム的な感じになってきている。対馬でも最近増えてきたけどやっぱ限られている。活用という視点では少ないように感じる。
それでも最近空き家をリノベした宿ってのが増えてきている。離島に来る人は別に便利なものとか新しいものを求めてくるわけじゃなくて、ここでしか体験出来ないものを求めてきていると思う。古民家と言われる伝統的な建物を活用したものがもっと増えると、島外の人から見える魅力も高まってくると思うんだよなーという独り言を言ってみたりする
今後の予定
私の今後の予定ですが、空き家のDIYを行く予定でいま着々と計画立ててます。素人レベルのDIYになるけど完成まで頑張る!でも、これから夏だからすごく心配